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行政書士 過去問 2018 問題 31

問題 31 弁済に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。 債務者が元本のほか利息および費用を支払うべき場合において、弁済として給付した金銭の額がその債務の全部を消滅させるのに足りないときは、債務者による充当の指定がない限り、これを順次に費用、利息および元本に充当しなければならない。 同一の債権者に対して数個の金銭債務を負担する債務者が、弁済として給付した金銭の額が全ての債務を消滅させるのに足りない場合であって、債務者が充当の指定をしないときは、債権者が弁済を受領する時に充当の指定をすることができるが、債務者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない。 金銭債務を負担した債務者が、債権者の承諾を得て金銭の支払に代えて不動産を給付する場合において、代物弁済が成立するためには、債権者に所有権を移転させる旨の意思表示をするだけでは足りず、所有権移転登記がされなければならない。 債権者があらかじめ弁済の受領を拒んでいる場合、債務者は、口頭の提供をすれば債務不履行責任を免れるが、債権者において契約そのものの存在を否定する等弁済を受領しない意思が明確と認められるときは、口頭の提供をしなくても同責任を免れる。 債権者があらかじめ金銭債務の弁済の受領を拒んでいる場合、債務者は、口頭の提供をした上で弁済の目的物を供託することにより、債務を消滅させることができる。 正解 1 ❌ 債務者が元本のほか利息および費用を支払うべき場合において、弁済として給付した金銭の額がその債務の全部を消滅させるのに足りないときは、債務者による充当の指定がない限り、これを順次に費用、利息および元本に充当しなければならない。 👉 解説 ⭕ 同一の債権者に対して数個の金銭債務を負担する債務者が、弁済として給付した金銭の額が全ての債務を消滅させるのに足りない場合であって、債務者が充当の指定をしないときは、債権者が弁済を受領する時に充当の指定をすることができるが、債務者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない。 👉 解説 ⭕ 金銭債務を負担した債務者が、債権者の承諾を得て金銭の支払に代えて不動産を給付する場合において、代物弁済が成立するためには、債権者に所有権を移転させる旨の意思表示をするだけでは足りず、所有権...

行政書士 過去問 2018 問題 30

問題 30 抵当権の効力に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。 抵当権の効力は抵当不動産の従物にも及ぶが、抵当不動産とは別個に従物について対抗要件を具備しなければ、その旨を第三者に対して対抗することができない。 借地上の建物に抵当権が設定された場合において、その建物の抵当権の効力は、特段の合意がない限り借地権には及ばない。 買戻特約付売買の買主が目的不動産について買主の債権者のために抵当権を設定し、その旨の登記がなされたところ、その後、売主が買戻権を行使した場合、買主が売主に対して有する買戻代金債権につき、上記抵当権者は物上代位権を行使することができる。 抵当不動産が転貸された場合、抵当権者は、原則として、転貸料債権(転貸賃料請求権)に対しても物上代位権を行使することができる。 抵当権者が、被担保債権について利息および遅延損害金を請求する権利を有するときは、抵当権者は、原則として、それらの全額について優先弁済権を行使することができる。 正解 3 ❌ 抵当権の効力は抵当不動産の従物にも及ぶが、抵当不動産とは別個に従物について対抗要件を具備しなければ、その旨を第三者に対して対抗することができない。 👉 解説 ❌ 借地上の建物に抵当権が設定された場合において、その建物の抵当権の効力は、特段の合意がない限り借地権には及ばない。 👉 解説 ⭕ 買戻特約付売買の買主が目的不動産について買主の債権者のために抵当権を設定し、その旨の登記がなされたところ、その後、売主が買戻権を行使した場合、買主が売主に対して有する買戻代金債権につき、上記抵当権者は物上代位権を行使することができる。 👉 解説 ❌ 抵当不動産が転貸された場合、抵当権者は、原則として、転貸料債権(転貸賃料請求権)に対しても物上代位権を行使することができる。 👉 解説 ❌ 抵当権者が、被担保債権について利息および遅延損害金を請求する権利を有するときは、抵当権者は、原則として、それらの全額について優先弁済権を行使することができる。 👉 解説 解説 1: ❌ 抵当権の効力は抵当不動産の従物にも及ぶが、抵当不動産とは別個に従物について対抗要件を具備しなければ、その旨を第三者に対して対抗することができない。 妥当でない。判例...

行政書士 過去問 2018 問題 29

問題 29 A が登記簿上の所有名義人である甲土地を B が買い受ける旨の契約(以下「本件 売買契約」という。)を A・B 間で締結した場合に関する次のア〜オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。 甲土地は実際には C の所有に属していたが、C が A に無断で甲土地の所有名義人を A としていた場合において、A がその事情を知らない B との間で本件売買契約を締結したときであっても、B は C に対して甲土地の引渡しを求めることができない。 甲土地は A の所有に属していたところ、A の父である D が、A に無断で A の代理人と称して本件売買契約を締結し、その後 D が死亡して A が D を単独で相続したときは、A は、D の法律行為の追認を拒絶することができ、また、損害賠償の責任を免れる。 甲土地が相続により A および E の共有に属していたところ、A が E に無断で A の単独所有名義の登記をして B との間で本件売買契約を締結し、B が所有権移転登記をした場合において、B がその事情を知らず、かつ、過失がないときは、B は甲土地の全部について所有権を取得する。 甲土地は A の所有に属していたところ、本件売買契約が締結され、B 名義での所有権移転の仮登記がされた場合において、A が甲土地をその事情を知らない F に売却し所有権移転登記をしたときは、B は本登記をしない限り F に対して所有権の取得を対抗することができない。 甲土地は A の所有に属していたところ、G が A に無断で甲土地上に建物を築造し、その建物の所有権保存登記をした場合において、本件売買契約により甲土地の所有者となった B は、G が当該建物の所有権を他に譲渡していたとしても、登記名義が G にある限り、G に対して当該建物の収去および土地の明渡しを求めることができる。 ア・ウ ア・オ イ・ウ イ・エ エ・オ 正解 5 ❌ 甲土地は実際には C の所有に属していたが、C が A に無断で甲土地の所有名義人を A としていた場合において、A がその事情を知らない B との間で本件売買契約を締結したときであっても、B は C に対して甲土地の引渡しを求めることができない。 👉 解説 ❌ 甲土地は A...

行政書士 過去問 2018 問題 28

問題 28 A・B 間で締結された契約(以下「本件契約」という。)に附款がある場合に関する次のア〜オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。 本件契約に、経済情勢に一定の変動があったときには当該契約は効力を失う旨の条項が定められている場合、効力の喪失時期は当該変動の発生時が原則であるが、A・B の合意により、効力の喪失時期を契約時に遡らせることも可能である。 本件契約が売買契約であり、買主 B が品質良好と認めた場合には代金を支払うとする旨の条項が定められている場合、この条項はその条件の成就が代金債務者である B の意思のみに係る随意条件であるから無効である。 本件契約が和解契約であり、B は一定の行為をしないこと、もし B が当該禁止行為をした場合には A に対して違約金を支払う旨の条項が定められている場合、A が、第三者 C を介して B の当該禁止行為を誘発したときであっても、B は A に対して違約金支払の義務を負う。 本件契約が農地の売買契約であり、所有権移転に必要な行政の許可を得られたときに効力を生じる旨の条項が定められている場合において、売主 A が当該許可を得ることを故意に妨げたときであっても、条件が成就したとみなされることはない。 本件契約が金銭消費貸借契約であり、借主 B が将来社会的に成功を収めた場合に返済する旨の条項(いわゆる出世払い約款)が定められている場合、この条項は停止条件を定めたものであるから、B は社会的な成功を収めない限り返済義務を負うものではない。 ア・イ ア・エ イ・ウ ウ・オ エ・オ 正解 2 ⭕ 本件契約に、経済情勢に一定の変動があったときには当該契約は効力を失う旨の条項が定められている場合、効力の喪失時期は当該変動の発生時が原則であるが、A・B の合意により、効力の喪失時期を契約時に遡らせることも可能である。 👉 解説 ❌ 本件契約が売買契約であり、買主 B が品質良好と認めた場合には代金を支払うとする旨の条項が定められている場合、この条項はその条件の成就が代金債務者である B の意思のみに係る随意条件であるから無効である。 👉 解説 ❌ 本件契約が和解契約であり、B は一定の行為をしないこと、もし B が当該禁止行為をした場合には A...

行政書士 過去問 2018 問題 27

問題 27 公序良俗および強行法規等の違反に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。 食品の製造販売を業とする者が、有害物質の混入した食品を、食品衛生法に抵触するものであることを知りながら、あえて製造販売し取引を継続していた場合には、当該取引は、公序良俗に反して無効である。 債権の管理または回収の委託を受けた弁護士が、その手段として訴訟提起や保全命令の申立てをするために当該債権を譲り受ける行為は、たとえそれが弁護士法に違反するものであったとしても、司法機関を利用して不当な利益を追求することを目的として行われた等の事情がない限り、直ちにその私法上の効力が否定されるものではない。 組合契約において、組合員はやむを得ない事由があっても任意に脱退することができない旨の約定が存する場合であっても、組合員の脱退に関する民法の規定は強行法規ではないから、かかる約定の効力が否定されるものではない。 契約が公序に反することを目的とするものであるかどうかは、当該契約が成立した時点における公序に照らして判断すべきである。 男子の定年年齢を 60 歳、女子の定年年齢を 55 歳とする旨の会社の就業規則は、経営上の観点から男女別定年制を設けなければならない合理的理由が認められない場合、公序良俗に反して無効である。 正解 3 ⭕ 食品の製造販売を業とする者が、有害物質の混入した食品を、食品衛生法に抵触するものであることを知りながら、あえて製造販売し取引を継続していた場合には、当該取引は、公序良俗に反して無効である。 👉 解説 ⭕ 債権の管理または回収の委託を受けた弁護士が、その手段として訴訟提起や保全命令の申立てをするために当該債権を譲り受ける行為は、たとえそれが弁護士法に違反するものであったとしても、司法機関を利用して不当な利益を追求することを目的として行われた等の事情がない限り、直ちにその私法上の効力が否定されるものではない。 👉 解説 ❌ 組合契約において、組合員はやむを得ない事由があっても任意に脱退することができない旨の約定が存する場合であっても、組合員の脱退に関する民法の規定は強行法規ではないから、かかる約定の効力が否定されるものではない。 👉 解説 ⭕ 契約が公序に反することを目的とするものであるかどうか...

行政書士 過去問 2019 問題 35

問題 35 氏に関する次のア〜オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。 甲山太郎と乙川花子が婚姻届に署名捺印した場合において、慣れ親しんだ呼称として婚姻後もそれぞれ甲山、乙川の氏を引き続き称したいと考え、婚姻後の氏を定めずに婚姻届を提出したときは、この婚姻届は受理されない。 夫婦である乙川太郎と乙川花子が離婚届を提出し受理されたが、太郎が慣れ親しんだ呼称として、離婚後も婚姻前の氏である甲山でなく乙川の氏を引き続き称したいと考えたとしても、離婚により復氏が確定し、離婚前の氏を称することができない。 甲山太郎を夫とする妻甲山花子は、夫が死亡した場合において、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって婚姻前の氏である乙川を称することができる。 夫婦である甲山花子と甲山太郎の間に出生した子である一郎は、両親が離婚をして、母花子が復氏により婚姻前の氏である乙川を称するようになった場合には、届け出ることで母と同じ乙川の氏を称することができる。 甲山花子と、婚姻により改氏した甲山太郎の夫婦において、太郎が縁組により丙谷二郎の養子となったときは、太郎および花子は養親の氏である丙谷を称する。 ア・イ ア・ウ イ・エ ウ・オ エ・オ 正解 2 ⭕ 甲山太郎と乙川花子が婚姻届に署名捺印した場合において、慣れ親しんだ呼称として婚姻後もそれぞれ甲山、乙川の氏を引き続き称したいと考え、婚姻後の氏を定めずに婚姻届を提出したときは、この婚姻届は受理されない。 👉 解説 ❌ 夫婦である乙川太郎と乙川花子が離婚届を提出し受理されたが、太郎が慣れ親しんだ呼称として、離婚後も婚姻前の氏である甲山でなく乙川の氏を引き続き称したいと考えたとしても、離婚により復氏が確定し、離婚前の氏を称することができない。 👉 解説 ⭕ 甲山太郎を夫とする妻甲山花子は、夫が死亡した場合において、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって婚姻前の氏である乙川を称することができる。 👉 解説 ❌ 夫婦である甲山花子と甲山太郎の間に出生した子である一郎は、両親が離婚をして、母花子が復氏により婚姻前の氏である乙川を称するようになった場合には、届け出ることで母と同じ乙川の氏を称することができる。 👉 解説 ❌ 甲山花子と、婚姻により改...

行政書士 過去問 2019 問題 34

問題 34 不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。 精神障害者と同居する配偶者は法定の監督義務者に該当しないが、責任無能力者との身分関係や日常生活における接触状況に照らし、第三者に対する加害行為の防止に向けてその者が当該責任無能力者の監督を現に行い、その態様が単なる事実上の監督を超えているなどその監督義務を引き受けたとみるべき特段の事情が認められる場合には、当該配偶者は法定の監督義務者に準ずべき者として責任無能力者の監督者責任を負う。 兄が自己所有の自動車を弟に運転させて迎えに来させた上、弟に自動車の運転を継続させ、これに同乗して自宅に戻る途中に、弟の過失により追突事故が惹起された。その際、兄の同乗後は運転経験の長い兄が助手席に座って、運転経験の浅い弟の運転に気を配り、事故発生の直前にも弟に対して発進の指示をしていたときには、一時的にせよ兄と弟との間に使用関係が肯定され、兄は使用者責任を負う。 宅地の崖地部分に設けられたコンクリートの擁壁の設置または保存による瑕疵が前所有者の所有していた際に生じていた場合に、現所有者が当該擁壁には瑕疵がないと過失なく信じて当該宅地を買い受けて占有していたとしても、現所有者は土地の工作物責任を負う。 犬の飼主がその雇人に犬の散歩をさせていたところ、当該犬が幼児に噛みついて負傷させた場合には、雇人が占有補助者であるときでも、当該雇人は、現実に犬の散歩を行っていた以上、動物占有者の責任を負う。 交通事故によりそのまま放置すれば死亡に至る傷害を負った被害者が、搬入された病院において通常期待されるべき適切な治療が施されていれば、高度の蓋然性をもって救命されていたときには、当該交通事故と当該医療事故とのいずれもが、その者の死亡という不可分の一個の結果を招来し、この結果について相当因果関係がある。したがって、当該交通事故における運転行為と当該医療事故における医療行為とは共同不法行為に当たり、各不法行為者は共同不法行為の責任を負う。 正解 4 ⭕ 精神障害者と同居する配偶者は法定の監督義務者に該当しないが、責任無能力者との身分関係や日常生活における接触状況に照らし、第三者に対する加害行為の防止に向けてその者が当該責任無能力者の監督を現に行い、その態様が単なる事実上の監督を...

行政書士 過去問 2019 問題 33

問題 33 甲建物(以下「甲」という。)を所有する A が不在の間に台風が襲来し、甲の窓ガラスが破損したため、隣りに住む B がこれを取り換えた場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。 B が A から甲の管理を頼まれていた場合であっても、A・B 間において特約がない限り、B は、A に対して報酬を請求することができない。 B が A から甲の管理を頼まれていなかった場合であっても、B は、A に対して窓ガラスを取り換えるために支出した費用を請求することができる。 B が A から甲の管理を頼まれていなかった場合であっても、B が自己の名において窓ガラスの取換えを業者 C に発注したときは、B は、A に対して自己に代わって代金を C に支払うことを請求することができる。 B が A から甲の管理を頼まれていなかった場合においては、B が A の名において窓ガラスの取換えを業者 D に発注したとしても、A の追認がない限り、D は、A に対してその請負契約に基づいて代金の支払を請求することはできない。 B が A から甲の管理を頼まれていた場合であっても、A・B 間において特約がなければ、窓ガラスを取り換えるに当たって、B は、A に対して事前にその費用の支払を請求することはできない。 正解 5 ⭕ B が A から甲の管理を頼まれていた場合であっても、A・B 間において特約がない限り、B は、A に対して報酬を請求することができない。 👉 解説 ⭕ B が A から甲の管理を頼まれていなかった場合であっても、B は、A に対して窓ガラスを取り換えるために支出した費用を請求することができる。 👉 解説 ⭕ B が A から甲の管理を頼まれていなかった場合であっても、B が自己の名において窓ガラスの取換えを業者 C に発注したときは、B は、A に対して自己に代わって代金を C に支払うことを請求することができる。 👉 解説 ⭕ B が A から甲の管理を頼まれていなかった場合においては、B が A の名において窓ガラスの取換えを業者 D に発注したとしても、A の追認がない限り、D は、A に対してその請負契約に基づいて代金の支払を請求することはできない。 👉 解説 ❌ B ...

行政書士 過去問 2019 問題 32

問題 32 建物が転貸された場合における賃貸人(建物の所有者)、賃借人(転貸人)および転借人の法律関係に関する次のア〜オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。 賃貸人の承諾がある転貸において、賃貸人が当該建物を転借人に譲渡し、賃貸人の地位と転借人の地位とが同一人に帰属したときであっても、賃借人と転借人間に転貸借関係を消滅させる特別の合意がない限り、転貸借関係は当然には消滅しない。 賃貸人の承諾がある転貸において、賃借人による賃料の不払があったときは、賃貸人は、賃借人および転借人に対してその支払につき催告しなければ、原賃貸借を解除することができない。 賃貸人の承諾がある転貸であっても、これにより賃貸人と転借人間に賃貸借契約が成立するわけではないので、賃貸人は、転借人に直接に賃料の支払を請求することはできない。 無断転貸であっても、賃借人と転借人間においては転貸借は有効であるので、原賃貸借を解除しなければ、賃貸人は、転借人に対して所有権に基づく建物の明渡しを請求することはできない。 無断転貸において、賃貸人が転借人に建物の明渡しを請求したときは、転借人は建物を使用収益できなくなるおそれがあるので、賃借人が転借人に相当の担保を提供していない限り、転借人は、賃借人に対して転貸借の賃料の支払を拒絶できる。 ア・イ ア・オ イ・ウ ウ・エ エ・オ 正解 2 ⭕ 賃貸人の承諾がある転貸において、賃貸人が当該建物を転借人に譲渡し、賃貸人の地位と転借人の地位とが同一人に帰属したときであっても、賃借人と転借人間に転貸借関係を消滅させる特別の合意がない限り、転貸借関係は当然には消滅しない。 👉 解説 ❌ 賃貸人の承諾がある転貸において、賃借人による賃料の不払があったときは、賃貸人は、賃借人および転借人に対してその支払につき催告しなければ、原賃貸借を解除することができない。 👉 解説 ❌ 賃貸人の承諾がある転貸であっても、これにより賃貸人と転借人間に賃貸借契約が成立するわけではないので、賃貸人は、転借人に直接に賃料の支払を請求することはできない。 👉 解説 ❌ 無断転貸であっても、賃借人と転借人間においては転貸借は有効であるので、原賃貸借を解除しなければ、賃貸人は、転借人に対して所有権に基づく建物の...

行政書士 過去問 2019 問題 31

問題 31 質権に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。 動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができず、また、質物の占有を第三者によって奪われたときは、占有回収の訴えによってのみ、その質物を回復することができる。 不動産質権は、目的不動産を債権者に引き渡すことによってその効力を生ずるが、不動産質権者は、質権設定登記をしなければ、その質権をもって第三者に対抗することができない。 債務者が他人の所有に属する動産につき質権を設定した場合であっても、債権者は、その動産が債務者の所有物であることについて過失なく信じたときは、質権を即時取得することができる。 不動産質権者は、設定者の承諾を得ることを要件として、目的不動産の用法に従ってその使用収益をすることができる。 質権は、債権などの財産権の上にこれを設定することができる。 正解 4 ⭕ 動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができず、また、質物の占有を第三者によって奪われたときは、占有回収の訴えによってのみ、その質物を回復することができる。 👉 解説 ⭕ 不動産質権は、目的不動産を債権者に引き渡すことによってその効力を生ずるが、不動産質権者は、質権設定登記をしなければ、その質権をもって第三者に対抗することができない。 👉 解説 ⭕ 債務者が他人の所有に属する動産につき質権を設定した場合であっても、債権者は、その動産が債務者の所有物であることについて過失なく信じたときは、質権を即時取得することができる。 👉 解説 ❌ 不動産質権者は、設定者の承諾を得ることを要件として、目的不動産の用法に従ってその使用収益をすることができる。 👉 解説 ⭕ 質権は、債権などの財産権の上にこれを設定することができる。 👉 解説 解説 1: ⭕ 動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができず、また、質物の占有を第三者によって奪われたときは、占有回収の訴えによってのみ、その質物を回復することができる。 妥当である。352 条(動産質の対抗要件)に「動産質権者は、 継続して質物を占有 しなければ、その質権をもって第三者に対抗...

行政書士 過去問 2019 問題 30

問題 30 A 所有の甲土地と B 所有の乙土地が隣接し、甲土地の上には C 所有の丙建物が存在している。この場合における次のア〜オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。 B が、甲土地に乙土地からの排水のための地役権を A・B 間で設定し登記していた場合において、C が A に無断で甲土地に丙建物を築造してその建物の一部が乙土地からの排水の円滑な流れを阻害するときは、B は、C に対して地役権に基づき丙建物全部の収去および甲土地の明渡しを求めることができる。 A・B 間で、乙土地の眺望を確保するため、甲土地にいかなる工作物も築造しないことを内容とする地役権を設定し登記していた場合において、C が賃借権に基づいて甲土地に丙建物を築造したときは、B は地役権に基づき建物の収去を求めることができる。 甲土地が乙土地を通らなければ公道に至ることができない、いわゆる袋地である場合において、C が、A との地上権設定行為に基づいて甲土地に丙建物を建築し乙土地を通行しようとするときは、C は、甲土地の所有者でないため、B との間で乙土地の通行利用のため賃貸借契約を結ぶ必要がある。 A は、自己の債務の担保として甲土地に抵当権を設定したが、それ以前に賃借権に基づいて甲土地に丙建物を築造していた C から A が当該抵当権の設定後に丙建物を買い受けた場合において、抵当権が実行されたときは、丙建物のために、地上権が甲土地の上に当然に発生する。 C が、地上権設定行為に基づいて甲土地上に丙建物を築造していたところ、期間の満了により地上権が消滅した場合において、A が時価で丙建物を買い取る旨を申し出たときは、C は、正当な事由がない限りこれを拒むことができない。 正解 4 ❌ B が、甲土地に乙土地からの排水のための地役権を A・B 間で設定し登記していた場合において、C が A に無断で甲土地に丙建物を築造してその建物の一部が乙土地からの排水の円滑な流れを阻害するときは、B は、C に対して地役権に基づき丙建物全部の収去および甲土地の明渡しを求めることができる。 👉 解説 ⭕ A・B 間で、乙土地の眺望を確保するため、甲土地にいかなる工作物も築造しないことを内容とする地役権を設定し登記していた場合において、C が賃借権...

行政書士 過去問 2019 問題 29

問題 29 動産物権変動に関する次の記述のうち、民法等の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。 A は自己所有の甲機械を B に譲渡したが、その引渡しをしないうちに A の債権者である C が甲機械に対して差押えを行った。この場合において、B は、差押えに先立って甲機械の所有権を取得したことを理由として、C による強制執行の不許を求めることはできない。 D は自己所有の乙機械を E に賃貸し、E はその引渡しを受けて使用収益を開始したが、D は賃貸借期間の途中で F に対して乙機械を譲渡した。F が E に対して所有権に基づいて乙機械の引渡しを求めた場合には、E は乙機械の動産賃借権をもって F に対抗することができないため、D・F 間において乙機械に関する指図による占 有移転が行われていなかったとしても、E は F の請求に応じなければならない。 G は自己所有の丙機械を H に寄託し、H がその引渡しを受けて保管していたとこ ろ、G は I に対して丙機械を譲渡した。この場合に、H が G に代って一時丙機械を保管するに過ぎないときには、H は、G・I 間の譲渡を否認するにつき正当な利害関係を有していないので、I の所有権に基づく引渡しの請求に応じなければならない。 J は、自己所有の丁機械を K に対して負っている貸金債務の担保として K のために譲渡担保権を設定した。動産に関する譲渡担保権の対抗要件としては占有改定に よる引渡しで足り、譲渡担保権設定契約の締結後も J が丁機械の直接占有を継続している事実をもって、J・K 間で占有改定による引渡しが行われたものと認められる。 集合動産譲渡担保が認められる場合において、種類、量的範囲、場所で特定された集合物を譲渡担保の目的とする旨の譲渡担保権設定契約が締結され、占有改定による引渡しが行われたときは、集合物としての同一性が損なわれない限り、後に新たにその構成部分となった動産についても譲渡担保に関する対抗要件の効力が及ぶ。 正解 2 ⭕ A は自己所有の甲機械を B に譲渡したが、その引渡しをしないうちに A の債権者である C が甲機械に対して差押えを行った。この場合において、B は、差押えに先立って甲機械の所有権を取得したことを理由として、C による強制執行の不許を求める...

行政書士 過去問 2017 問題 06

次の文章の空欄 □ に当てはまる語句 ア と、本文末尾で述べられた考え方 イ(現在でも通説とされる。)との組合せとして、妥当なものはどれか。 法の形式はその生産方法によって決定せられる。生産者を異にし、生産手続を異にするに従って異る法の形式が生ずる。国家組織は近代に至っていよいよ複雑となって来たから、国法の形式もそれに応じていよいよ多様に分化してきた・・・。 すべて国庫金の支出は必ず予め定められた準則――これを実質的意味の予算または予算表と呼ぼう――にもとづいてなされることを要し、しかもその予定準則の定立には議会の同意を要することは、近代立憲政に通ずる大原則である。諸外国憲法はかくの如き予算表は □ の形式をとるべきものとなし、予算表の制定をもって □ の専属的所管に属せしめている。わが国ではこれと異り □ の外に「予算」という特殊な形式をみとめ、予算表の制定をもって「予算」の専属的所管に属せしめている。 (出典 宮澤俊義「憲法講義案」1936 年から) ア: ⭕ 法律 イ: ⭕ 予算法形式説 ア: ⭕ 法律 イ: ❌ 予算法律説 ア: ❌ 議決 イ: ❌ 予算決定説 ア: ❌ 命令 イ: ❌ 予算行政説 ア: ❌ 議決 イ: ❌ 予算決算説 正解 1 ア: ⭕ 法律 イ: ⭕ 予算法形式説 👉 解説 ア: ⭕ 法律 イ: ❌ 予算法律説 ア: ❌ 議決 イ: ❌ 予算決定説 ア: ❌ 命令 イ: ❌ 予算行政説 ア: ❌ 議決 イ: ❌ 予算決算説 解説 1: ア: ⭕ 法律 イ: ⭕ 予算法形式説 日本では、「⭕ 法律」の外に「予算」という特殊な形式をみとめ、予算表の制定をもって「予算」の専属的所管に属せしめている。「⭕ 予算法形式説」が通説である。

行政書士 過去問 2017 問題 07

問題 7 憲法の概念に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。 通常の法律より改正手続が困難な憲法を硬性憲法、法律と同等の手続で改正できる憲法を軟性憲法という。ドイツやフランスの場合のように頻繁に改正される憲法 は、法律より改正が困難であっても軟性憲法に分類される。 憲法の定義をめぐっては、成文の憲法典という法形式だけでなく、国家統治の基本形態など規定内容に着目する場合があり、後者は実質的意味の憲法と呼ばれる。実質的意味の憲法は、成文の憲法典以外の形式をとって存在することもある。 憲法は、公権力担当者を拘束する規範であると同時に、主権者が自らを拘束する規範でもある。日本国憲法においても、公務員のみならず国民もまた、憲法を尊重し擁護する義務を負うと明文で規定されている。 憲法には最高法規として、国内の法秩序において最上位の強い効力が認められることも多い。日本国憲法も最高法規としての性格を備えるが、判例によれば、国際協調主義がとられているため、条約は国内法として憲法より強い効力を有する。 憲法には通常前文が付されるが、その内容・性格は憲法によって様々に異なっている。日本国憲法の前文の場合は、政治的宣言にすぎず、法規範性を有しないと一般に解されている。 正解 2 ❌ 通常の法律より改正手続が困難な憲法を硬性憲法、法律と同等の手続で改正できる憲法を軟性憲法という。ドイツやフランスの場合のように頻繁に改正される憲法は、法律より改正が困難であっても軟性憲法に分類される。 👉 解説 ⭕ 憲法の定義をめぐっては、成文の憲法典という法形式だけでなく、国家統治の基本形態など規定内容に着目する場合があり、後者は実質的意味の憲法と呼ばれる。実質的意味の憲法は、成文の憲法典以外の形式をとって存在することもある。 👉 解説 ❌ 憲法は、公権力担当者を拘束する規範であると同時に、主権者が自らを拘束する規範でもある。日本国憲法においても、公務員のみならず国民もまた、憲法を尊重し擁護する義務を負うと明文で規定されている。 👉 解説 ❌ 憲法には最高法規として、国内の法秩序において最上位の強い効力が認められることも多い。日本国憲法も最高法規としての性格を備えるが、判例によれば、国際協調主義がとられているため、条約は国内法として憲法より強い効力を有する。 👉...

行政書士 過去問 2017 問題 04

問題 4 次の記述は、ため池の堤とう(堤塘)の使用規制を行う条例により「ため池の堤とうを使用する財産上の権利を有する者は、ため池の破損、決かい等に因る災害を未然に防止するため、その財産権の行使を殆んど全面的に禁止される」ことになった事件についての最高裁判所判決に関するものである。判決の論旨として妥当でないものはどれか。 社会生活上のやむを得ない必要のゆえに、ため池の堤とうを使用する財産上の権利を有する者は何人も、条例による制約を受忍する責務を負うというべきである。 ため池の破損、決かいの原因となるため池の堤とうの使用行為は、憲法でも、民法でも適法な財産権の行使として保障されていない。 憲法、民法の保障する財産権の行使の埓外にある行為を条例をもって禁止、処罰しても憲法および法律に抵触またはこれを逸脱するものとはいえない。 事柄によっては、国において法律で一律に定めることが困難または不適当なことがあり、その地方公共団体ごとに条例で定めることが容易かつ適切である。 憲法 29 条 2 項は、財産権の内容を条例で定めることを禁じているが、その行使については条例で規制しても許される。 正解 5 ⭕ 社会生活上のやむを得ない必要のゆえに、ため池の堤とうを使用する財産上の権利を有する者は何人も、条例による制約を受忍する責務を負うというべきである。 👉 解説 ⭕ ため池の破損、決かいの原因となるため池の堤とうの使用行為は、憲法でも、民法でも適法な財産権の行使として保障されていない。 👉 解説 ⭕ 憲法、民法の保障する財産権の行使の埓外にある行為を条例をもって禁止、処罰しても憲法および法律に抵触またはこれを逸脱するものとはいえない。 👉 解説 ⭕ 事柄によっては、国において法律で一律に定めることが困難または不適当なことがあり、その地方公共団体ごとに条例で定めることが容易かつ適切である。 👉 解説 ❌ 憲法 29 条 2 項は、財産権の内容を条例で定めることを禁じているが、その行使については条例で規制しても許される。 👉 解説 解説 1: ⭕ 社会生活上のやむを得ない必要のゆえに、ため池の堤とうを使用する財産上の権利を有する者は何人も、条例による制約を受忍する責務を負うというべきである。 妥当である。公共の福祉に照らして...

行政書士 過去問 2017 問題 03

問題 3 人権の享有主体性をめぐる最高裁判所の判例に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。 わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼすなど、外国人の地位に照らして認めるのが相当でないと解されるものを除き、外国人にも政治活動の自由の保障が及ぶ。 会社は、自然人と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進し、または反対するなどの政治的行為をなす自由を有する。 公務員は政治的行為を制約されているが、処罰対象となり得る政治的行為は、公務員としての職務遂行の政治的中立性を害するおそれが、実質的に認められるものに限られる。 憲法上の象徴としての天皇には民事裁判権は及ばないが、私人としての天皇については当然に民事裁判権が及ぶ。 憲法が保障する教育を受ける権利の背後には、子どもは、その学習要求を充足するための教育を施すことを、大人一般に対して要求する権利を有する、との観念がある。 正解 4 ⭕ わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼすなど、外国人の地位に照らして認めるのが相当でないと解されるものを除き、外国人にも政治活動の自由の保障が及ぶ。 👉 解説 ⭕ 会社は、自然人と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進し、または反対するなどの政治的行為をなす自由を有する。 👉 解説 ⭕ 公務員は政治的行為を制約されているが、処罰対象となり得る政治的行為は、公務員としての職務遂行の政治的中立性を害するおそれが、実質的に認められるものに限られる。 👉 解説 ❌ 憲法上の象徴としての天皇には民事裁判権は及ばないが、私人としての天皇については当然に民事裁判権が及ぶ。 👉 解説 ⭕ 憲法が保障する教育を受ける権利の背後には、子どもは、その学習要求を充足するための教育を施すことを、大人一般に対して要求する権利を有する、との観念がある。 👉 解説 解説 1: ⭕ わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼすなど、外国人の地位に照らして認めるのが相当でないと解されるものを除き、外国人にも政治活動の自由の保障が及ぶ。 妥当である。(最大判昭和 53 年 10 月 4 日、マクリーン事件) 2: ⭕ 会社は、自然人と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進し、または反対するなどの政治的行為をなす自由を有する。 妥...

行政書士 過去問 2018 問題 07

次の文章の空欄[ア]~[オ]に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権は、[ア]においてこれを決定し・・・(中略)・・・、[イ]はこれを[ウ]することにした。ここにあげた[エ]権は、旧憲法では[イ]の[オ]に属していたが、新憲法において、その決定はこれを[ア]の権能とし、[イ]はただこれを[ウ]するに止まることになったのであるが、議会における審議に当って、[エ]は、栄典とともに[イ]の権能として留保すべきであるという主張があった。これに対して、政府は、[エ]は法の一般性又は裁判の法律に対する忠実性から生ずる不当な結果を調節する作用であり、立法権、司法権及び行政権の機械的分立から生ずる不合理を是正するための制度であって、その運用には、政治的批判を伴うものであることを理由として、その実質的責任はすべてこれを[ア]に集中するとともに、「それが国民にもたらす有難さを[ウ]の形式を以て表明する」こととしたと説明している。 (出典 法学協会編「註解日本国憲法上巻」1948 年から) ア:最高裁判所 イ:国会 ウ:議決 エ:免訴 オ:自律権 ア:内閣 イ:天皇 ウ:認証 エ:恩赦 オ:大権 ア:内閣 イ:天皇 ウ:裁可 エ:免訴 オ:専権 ア:内閣総理大臣 イ:内閣 ウ:閣議決定 エ:恩赦 オ:専権 ア:国会 イ:天皇 ウ:認証 エ:恩赦 オ:大権 正解 2 ア:❌ 最高裁判所 イ:❌ 国会 ウ:❌ 議決 エ:❌ 免訴 オ:❌ 自律権 ア:⭕ 内閣 イ:⭕ 天皇 ウ:⭕ 認証 エ:⭕ 恩赦 オ:⭕大権 👉 解説 ア:⭕ 内閣 イ:⭕ 天皇 ウ:❌ 裁可 エ:❌ 免訴 オ:❌ 専権 ア:❌ 内閣総理大臣 イ:❌ 内閣 ウ:❌ 閣議決定 エ:⭕ 恩赦 オ:❌ 専権 ア:❌ 国会 イ:⭕ 天皇 ウ:⭕ 認証 エ:⭕ 恩赦 オ:⭕大権 解説 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権は、[ア: ⭕ 内閣]においてこれを決定し・・・(中略)・・・、[イ: ⭕ 天皇]はこれを[ウ: ⭕ 認証]することにした。ここにあげた[エ: ⭕ 恩赦]権は、旧憲法では[イ: ⭕ 天皇]の[オ: ⭕大権]に属していたが、新憲法において、その決定はこれを[ア: ⭕ 内閣]の権能とし、[イ: ⭕ 天皇...

行政書士 過去問 2018 問題 06

問題 6 デモクラシーの刷新を綱領に掲げる政党 X は、衆議院議員選挙の際の選挙公約として、次のア〜エのような内容を含む公職選挙法改正を提案した。 有権者の投票を容易にするために、自宅からインターネットで投票できる仕組みを導入する。家族や友人とお茶の間で話し合いながら同じ端末から投票することもでき、身近な人々の間での政治的な議論が活性化することが期待される。 有権者の投票率を高めるため、選挙期間中はいつでも投票できるようにするとともに、それでも 3 回続けて棄権した有権者には罰則を科するようにする。 過疎に苦しむ地方の利害をより強く国政に代表させるため、参議院が都道府県代表としての性格をもつことを明文で定める。 地方自治と国民主権を有機的に連動させるため、都道府県の知事や議会議長が自動的に参議院議員となり、国会で地方の立場を主張できるようにする。 この提案はいくつか憲法上論議となり得る点を含んでいる。以下の諸原則のうち、この提案による抵触が問題となり得ないものはどれか。 普通選挙 直接選挙 自由選挙 平等選挙 秘密選挙 正解 1 ⭕ 普通選挙 👉 解説 ❌ 直接選挙 👉 解説 ❌ 自由選挙 👉 解説 ❌ 平等選挙 👉 解説 ❌ 秘密選挙 👉 解説 解説 1: ⭕ 普通選挙 どこにも抵触しない。普通選挙とは、若干の例外を除き全ての成人が選挙権を行使できる選挙形式を指す。 2: ❌ 直接選挙 エ(地方自治と国民主権を有機的に連動させるため、都道府県の知事や議会議長が自動的に参議院議員となり、国会で地方の立場を主張できるようにする。)は直接選挙に抵触する。直接選挙は有権者が直接議員を選挙する制度である。 3: ❌ 自由選挙 イ(有権者の投票率を高めるため、選挙期間中はいつでも投票できるようにするとともに、それでも 3 回続けて棄権した有権者には罰則を科するようにする。)は直接選挙に抵触する。自由選挙とは選挙人の自由な意思によって行う投票であり選挙の棄権も自由である。 4: ❌ 平等選挙 ウ(過疎に苦しむ地方の利害をより強く国政に代表させるため、参議院が都道府県代表としての性格をもつことを明文で定める。)は平等選挙に抵触する。平等選挙とは 1 人 1 票(数的平等)で...

行政書士 過去問 2018 問題 05

問題 5 生存権に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。 憲法が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を営む権利のうち、「最低限度の生活」はある程度明確に確定できるが、「健康で文化的な生活」は抽象度の高い概念であり、その具体化に当たっては立法府・行政府の広い裁量が認められる。 行政府が、現実の生活条件を無視して著しく低い基準を設定する等、憲法および生活保護法の趣旨・目的に反し、法律によって与えられた裁量権の限界を越えた場合または裁量権を濫用した場合には、違法な行為として司法審査の対象となり得る。 憲法 25 条 2 項は、社会的立法および社会的施設の創造拡充により個々の国民の生活権を充実すべき国の一般的責務を、同条 1 項は、国が個々の国民に対しそうし た生活権を実現すべき具体的義務を負っていることを、それぞれ定めたものと解される。 現になされている生活保護の減額措置を行う場合には、生存権の自由権的側面の侵害が問題となるから、減額措置の妥当性や手続の適正さについて、裁判所は通常の自由権の制約と同様の厳格な審査を行うべきである。 生活保護の支給額が、「最低限度の生活」を下回ることが明らかであるような場合には、特別な救済措置として、裁判所に対する直接的な金銭の給付の請求が許容される余地があると解するべきである。 正解 2 ❌ 憲法が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を営む権利のうち、「最低限度の生活」はある程度明確に確定できるが、「健康で文化的な生活」は抽象度の高い概念であり、その具体化に当たっては立法府・行政府の広い裁量が認められる。 👉 解説 ⭕ 行政府が、現実の生活条件を無視して著しく低い基準を設定する等、憲法および生活保護法の趣旨・目的に反し、法律によって与えられた裁量権の限界を越えた場合または裁量権を濫用した場合には、違法な行為として司法審査の対象となり得る。 👉 解説 ❌ 憲法 25 条 2 項は、社会的立法および社会的施設の創造拡充により個々の国民の生活権を充実すべき国の一般的責務を、同条 1 項は、国が個々の国民に対しそうした生活権を実現すべき具体的義務を負っていることを、それぞれ定めたものと解される。 👉 解説 ❌ 現になされている生活保護の減額措置を行う場合には、生存権の...

行政書士 過去問 2018 問題 04

問題 4 学問の自由に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。 学問研究を使命とする人や施設による研究は、真理探究のためのものであるとの推定が働くと、学説上考えられてきた。 先端科学技術をめぐる研究は、その特性上一定の制約に服する場合もあるが、学問の自由の一環である点に留意して、日本では罰則によって特定の種類の研究活動を規制することまではしていない。 判例によれば、大学の学生が学問の自由を享有し、また大学当局の自治的管理による施設を利用できるのは、大学の本質に基づき、大学の教授その他の研究者の有する特別な学問の自由と自治の効果としてである。 判例によれば、学生の集会が、実社会の政治的社会的活動に当たる行為をする場合には、大学の有する特別の学問の自由と自治は享有しない。 判例によれば、普通教育において児童生徒の教育に当たる教師にも教授の自由が一定の範囲で保障されるとしても、完全な教授の自由を認めることは、到底許されない。 正解 2 ⭕ 学問研究を使命とする人や施設による研究は、真理探究のためのものであるとの推定が働くと、学説上考えられてきた。 👉 解説 ❌ 先端科学技術をめぐる研究は、その特性上一定の制約に服する場合もあるが、学問の自由の一環である点に留意して、日本では罰則によって特定の種類の研究活動を規制することまではしていない。 👉 解説 ⭕ 判例によれば、大学の学生が学問の自由を享有し、また大学当局の自治的管理による施設を利用できるのは、大学の本質に基づき、大学の教授その他の研究者の有する特別な学問の自由と自治の効果としてである。 👉 解説 ⭕ 判例によれば、学生の集会が、実社会の政治的社会的活動に当たる行為をする場合には、大学の有する特別の学問の自由と自治は享有しない。 👉 解説 ⭕ 判例によれば、普通教育において児童生徒の教育に当たる教師にも教授の自由が一定の範囲で保障されるとしても、完全な教授の自由を認めることは、到底許されない。 👉 解説 解説 1: ⭕ 学問研究を使命とする人や施設による研究は、真理探究のためのものであるとの推定が働くと、学説上考えられてきた。 その通り。 2: ❌ 先端科学技術をめぐる研究は、その特性上一定の制約に服する場合もあるが、学問の自由の一環である点に...